「時事新報社説の起草者推定ー明治18年4月~明治24年9月ー」

last updated: 2019-07-10

このテキストについて

平山氏の依頼により、2014年10月25日に愛知学院大学(愛知県日進市)で開催さ れた日本思想史学会発表「時事新報社説の起草者推定ー明治18年4月~明治24年9月ー」の発 表アウトラインと資料、音声ファイルを、平山氏の了解のうえアップロードします。

井田メソッドへの批判は、次の杉田聡氏の論説をご参照ください。

発表アウトライン

時事新報社説の起草者推定ー明治18年4月~明治24年9月ー

静岡県立大学 平山 洋 
The university of Shizuoka,  Hirayama Yo, PhD
日本思想史学会2014年度大会発表
於愛知学院大学・2014年10月25日
①「福沢健全期『時事新報』社説起草者判定」ー研究の経過ー

1.明治15年3月から明治18年3月まで3年1ヶ月分のテキスト化と判定(平成25年度)

2.推定福沢起草社説42編の発見(昨年度大会発表)

3.明治18年4月から明治24年9月までの6年6ヶ月分のテキスト化と判定(平成26年度)

4.推定福沢起草社説173編の発見(今年度大会発表)
②研究成果の公開

1.社説一覧・全集未収録社説画像ファイル・同テキストファイルはHP「平山洋氏の仕事」で公開

2.昨年度学会発表「石河幹明入社前『時事新報』社説起草者推定ー明治15年3月から明治18年3月までー」のHPでの公開

3.昨年度分の判定結果の報告「石河幹明入社前『時事新報』社説起草者推定ー明治15年3月から明治18年3月までー」のHPでの公開
③平成25年度の判定作業についての反省点

1.福沢語彙の選定は確実か、未だ不分明

2.語彙の字体の違いについて配慮していない

3.そもそも字体まで福沢が区別していたのか不明

4.慶應義塾HPの「デジタルで読む福沢諭吉」が、署名著作中で使用されている漢字の字体の差まで区別しているかどうか不明
④平成26年度の判定作業上の変更点

1.福沢語彙の再検討:61語彙から85語彙に増加

2.中上川語彙・渡辺語彙・石河語彙・菊池語彙の設定:社説記者起草分を排除するために使用

3.「語彙使用テキスト抽出ツール」の使用:フォルダに収めたテキストファイルから、各語彙が使用されているテキストを自動的に抽出するツール(次に説明)
⑤「語彙使用テキスト抽出ツール」について

1.仕組:同一フォルダ内のファイル中の任意の語彙を抽出しCSVで出力し、さらにエクセルで加工処理する

2.効能:きわめて単純な操作で確実に抽出できる

3.長所:windowsのサイト内検索より効率的である

4.短所:テキスト群を収めたフォルダからの抽出のため、本研究代表者(平山)しか運用できない
⑥「語彙使用テキスト抽出ツール」の表示例 (スライド参照)
⑦平成26年度の判定作業の概略

1.明治18年4月から明治24年9月までの紙面から、全集未収録の1086日分をテキスト化

2.「語彙使用テキスト抽出ツール」によって、福沢語彙・各社説記者語彙使用テキストを抽出

3.1086日分中、福沢語彙7語(1)・6語(4)・5語(20)・4語(40)・3語(109)・1語ないし2語(554)・0語(358)

4.3語以上を含む174日分中、中上川語彙(清廷)を含む1日分を除く173日分を推定福沢起草社説とする
⑧福沢語彙7語・6語使用社説の紹介

022「商売社會の勝敗は正に今日に在り」(18860630)決して然らず、成跡、氣の毒、繁多、竊に、扨

028「支那人の活溌なるは文明の利器に由るものなり」(18860901)三五、朝鮮政府、知る可らず、繁多、鄙見、慥に、竊に

084「德育の説」(18880711)冀望、成跡、鄙見、情誼、然りと雖ども、扨

122「大資本家の要用」(18890720)在昔、直段、知る可らず、ならんなれども、然りと雖ども、竊に

154「重ねて大坂米商會所」(18900825)成跡、知る可らず、恣にする鄙見、ならんなれども、扨
⑨推定福沢起草社説173編の概観

1.103、107を除き大事件に関する社説が含まれていない(全集収録済であることを示唆)

2.001、002、009、013、016等、対外関係に関する社説を多く含む(アジア諸国の立場にも配慮したもの)

3.004、006、011等、発表当時の生活に密接に関係する社説を多く含む(1930年代には無意味化した社説を全集に収録しなかった可能性を示唆)

4.017、042、076、089、117等、1930年代の現実と齟齬する社説を多く含む(全集収録にあたっての時局迎合を示唆)
⑩研究の今後の予定

1.科研費最終年度である平成27年度に、残り7年分をテキスト化のうえ判定しなければならない

2.7年分の全集未収録社説の総数は約2000日分と推測

3.テキスト化のためすでに科研費の総額280万円中240万円を使用済

4.あと40万円で7年分のテキスト化と判定は、はなはだ困難

発表資料

音声ファイル