「北海道物産税則の改正を希望す第二」

last updated: 2021-12-25

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時事新報に掲載された「北海道物産税則の改正を希望す第二」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。

本文

課税の權理と収税の義務とは措て論せず内州人民と北海道人民との爭論は實に之を問ふこ

とをなさず而して又た北海道物産税の重きは其政府の保護を受くること最も重きが爲めな

ると否との議は暫く之を高閣の上に束子去 單に全國の經濟上よりして北海道物産税則の

改正如何を論し來れば我輩は亦た甚だ其改正の利にして舊慣の不利なるを知るなり

之を與ふるは之を奪ふの術にして尺を枉けて尋を直うするは遠大の利益の存する所なり故

に巨額の収税を後日北海道に得んと欲せば今日其税を輕減せざるべからず盖し北海道は未

開の地にして到る處荒蕪に属するもの多し魚蝦山林農桑の利未た千百に一を尋さず天然の

美國、造化の富源空く熊鹿の群に委し去る今此荒蕪を拓き富源を發し魚蝦山林農桑の利悉

く之を盡さしめ以て他日巨額の租税を國庫に収むるに至らしめんと欲せば須らく法令を寬

にし税を歛を薄うし以て人口の繁殖、富寶の增進を謀らさるべからず若し今日租税の額重

きに過くるが爲に其人口繁殖せず富寶增進せさる如きことあらば假令目下國庫中に入るゝ

所多きを加ふるも其多きや實に後年に少きて加ふるの遠因たるを免かれず而して其結果は

今日に尺を直うせんと欲して却て後日に尋を失ふ如きことあるに至らん經濟上の損失も亦

た甚しからずや故に今斷然として北海道物産税を輕減し以て漁民をして漁業の法に改良を

加ふることを得せしめはその改良に附帶する價の低廉と共に内外水産の需用も從て亦た大

なるに至り忽ちにして漁獲の額今日に一倍し若くは三四倍するも亦た測るべからず若し假

りに之を一倍すとせんか從來の税を半減するも國庫の歳入を減することなし之を三四倍す

とせし〓三分の一倍の〓四分の一〓〓〓〓〓亦た〓〓〓〓〓〓〓〓〓が米〓の地を拓〓〓

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓之一〓〓の〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

米〓今日の富有は幾多原因のあるありて之を集成せる者ならんと雖ども亦た當初に於て此

寬法無税の之を助成したるなしと云ふべからず又た維新の初め某氏の神戸港を治むるや港

内の制度民の自在に適處するに任せて毫も檢束する所なく唯だ只管に人口の輻輳、富貴の

增進を謀りたりと云ふ若し然らずして當初未開の時に於て苛法以て民を鞭撻し毫も其自在

に適處するを許さずんば今日神戸港の繁茂も其幾分を減じ國税地方税も其幾割を損せん故

に北海道物産税を議する者此覩易きの理由を參考して損益の計算を超さば税則改正の利に

して舊憤の不利なる誠に利息算用よりも明なるを得ることならん

北海道物産税則は之を改正して其額を輕減すべし而して此際に於て今日の産出原品徴収法

を改めて金納の法を定めさるべからず經濟學士の説に租税の徴収は勉めて其費用を節減し

て無益の負擔を省き民の出す所を少うして却て官の収む所を多からしむべしと云へり盖し

北海道産出原品徴収法は現塲に就て現品を檢査し之を収納するものなるを以て常に許多の

吏人を各漁塲に派出し詐偽と脱税とを防がさる可らず其れ既に詐僞と脱税とを防ぐが爲に

許多の吏人を派出す又た之を監督するの吏人を派出せさる可らず而して此等吏人の給料は

勿論族費雜費の如き〓之を國庫より支辨すと雖ども到底租税徴収に關するの費用にして亦

間接に人民の負擔に重きを加ふる者たらざるなき能はず且つ此原品を徴収して官庫に入

るゝを〓〓〓〓之を其地に賣却して良價を得ること能はずんば〓の費用〓る遠隔の地に運

搬せざる可らず此に於て其費用實に大にして十四年度及び十五年度歳入出豫算書説明を參

考〓〓運搬費其他雜費を併せて四十餘萬圓の〓〓〓〓〓〓〓〓に至るは亦た驚くべきもの

と云はざる〓〓〓〓〓〓〓〓品徴収法に附帶して起る所の費用は〓〓〓〓〓〓〓〓〓に止

まらず彼の派出吏人の給料族費等の巨額なる〓〓〓於ておや而して此等巨額の費用を出し

て得し〓〓〓〓〓問へば唯だ是れ百二十万餘圓のみなる〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓の後を國庫

に収むる所は果して幾〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓用ふるに於て官民の損失も亦た甚〓〓〓〓〓

〓〓〓〓〓獨り此巨額の費用を要するのみ〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓するの日に於て商業に

不慣なるの〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓點なる商賣と吏を算〓の〓〓〓はざる〓〓〓〓〓〓〓〓

如しを〓〓ず往々にして〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓失ふ〓〓〓なきを〓〓〓〓〓〓〓

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〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓到底政府の為に得策と云

ふべからず然れども若し此原品徴税の法を改めて金納の法を行はゞ此等許多の損失を省く

のみならす運搬費等の四十餘万圓よりして吏人の給料族費等の大半をも減省するを得べき

なり出入差引の利益亦巨大なりと云はざるべけんや又た單に人民の利益のみより之を論す

れば第一漁塲に吏人の派出ありて其吏人の精神は極めて寬大なるも之に接する人民の身に

於ては極めて繁雜なる檢査を受けて最も貴重なる時間を徒費するを覺るは人の通情なれば

今其煩を免がるゝは則ち民情を慰るの一大利益なり第二収獲中最良の産物を擇て徴収せら

るゝの損失を免かるゝなり仮令實際に於ては必ずしも最良品のみを擇はざるも人民の目よ

り見れは情に於て斯く認むるを常とす第三官庫に運搬するの費用を省くを得るなり第四税

品拂下げの為めに物産の價格に不時の影響を來すの處なきなり

今北海道物産税に於て金納の税法を定むるは官民の利益うる所斯の如し故に今後物産税則

の改正を行ふに〓りて仮令税率に幾分の輕減をなすことを得ざるも〓〓此金納を以て改正

の要部となさんには亦た北海の富源を發くに幾かるへき歟唯た局に當る者彼の權理義務の

極端に爭はずして算籌の數字と利益の有無を相談し以て今日の小利を棄てゝ後日の大利を

取らんこと我輩の希望する所なり(畢)