「豫算委員會の議決」

last updated: 2019-09-29

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時事新報に掲載された「豫算委員會の議決」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。

本文

豫算委員會の議決

衆議院の豫算委員會に於ては〓日來種々討議の末愈々一昨日廿七日の總會にて全く調査の終りを告げ直に議長に差出したるよし而して其豫算原案より〓〓したる額は外務、内務、大藏、陸軍、海軍、司法、文部、農商務、〓信諸省の所管にて經常費臨時費合せて九千四百三十四萬〓餘なりと云う(昨日の雜報を觀よ)八千萬圓の豫算總額同諸氏の家計上に就て其議決の當否を質さんに諸氏は〓して日本〓會に中等以上の生活を爲すものならんなれば其一家の歳計は少なくとも八千圓内外に下らざることならん而して其八千圓の歳計は如何なる用〓に費するものなりやと云うに一家の成立には自から年來の事〓因〓なき能わずして〓類又は出入の人も多く吉凶の〓祭〓答もしくは〓〓佛閣の寄〓など目に見えぬ失費も少なからざる其上に猶お臨時不慮の費用もなかる可からず例えば家内の人別は八人として其八人が銘々に要する費用は一年二三百圓にても濟む可きが故に八人の家内に八千圓の歳費は不要なるが如くなれども實際に於て前〓の事〓因〓は一家に免る可からざる煩累にして一朝にして絶つ可きものにあらざれば一家の歳計にしても八千圓の總計より〓に一千圓の〓〓は之を諸氏が自身の家計に訴えて事實に難きを見る可し轉じて政府の歳計を見るに從來種々の〓實の爲めに冗費の少なからざるは勿論にして之を〓ずるは我輩に於ても異論なき所なれども二十餘年來政府に事〓因〓の少なからざるは諸氏の一家に煩累の多きに異ならずして〓に之を絶つの難きも亦諸氏の家累を絶つの難きに異ならず之を喩えば久しきものなれば之を〓するにも亦慢性の手段を用い年月を期して其効を求むるこそ對症の處方なる可きに今や然らずして激性の激剤を用い〓に効を見んとするは益々その病を激せしむるものにして治方の最も拙きものと云わざるを得ず

然りと雖も若しも政府の豫算にして俗に云う掛直の高きものあらんには委員會が十分に直踏して之を直切るも差支なしと雖も我輩の所見を以てすれば政府の豫算案には不當の掛直あらざるのみならず之を從來の例に照らし又これを實際の事實に徴するも先ず以て相應の直段なりと云わざるを得ず左れば政府が議會に對する豫算の要求は誠に穩當の處置にして更に咎む可き廉もあらざるに之に對する委員會の議〓に至りては何れの〓より見るも無理なる〓文と云う外なく我輩は其議〓の失當を斷言する〓憚からざる者なり

然り而して右は全く委員會の議〓に〓ぎざれば今後議會の衆議に於ては如何なる〓議に至るやも知る可からずと〓も若しも委員會の説が端なく多數の同意を得て愈々上奏の〓びともならんか議會の議〓重しと雖も斯る無理なる〓文は到底事實に行わる可からざるが故に或は〓可の命を得ずして〓には議會解散の不幸を見るやも知る〓らず〓〓の國會未だ〓ならずして斯る不〓の出來事あるは我輩の甚だ喜ばざる所なれども事、〓に至りては〓〓〓と〓す可からず而して其不〓の罪は政府に〓〓〓〓〓〓〓議會自から招く〓にして今後永久〓の〓〓〓〓して議會の〓〓を〓すものなれば我輩は議員諸氏が委員會の議〓に對して十分の〓意あらんことを勸告するものなり