「政府新聞の成行如何」
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時事新報に掲載された「政府新聞の成行如何」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。
本文
〓〓〓關發行の計畫に就ては政府部内の方針果して一〓し〓るや否や政府の主義方針一定すれば其企も甚だ〓〓る可しと雖も今の政府に統一の困難なるは毎度我〓の聞知する所にして近來に至りても矢張り舊の如く〓る可ければ或は覺束なく思ふ所なれども今回の企にては〓〓も〓はにして深く打合せたる所ありと云へ〓〓の事も定めて談に上りたることならん左れば其〓に方針一定の〓談は成りたるものとして扨この計畫〓政府の爲めに利害如何と云ふに勿論今日の塲合に於〓は我輩と雖も其必要を認むることなれども又一方よ〓共〓〓〓〓〓〓るときは前途掛念す可きもの甚だ少〓から〓じて或は之が爲めに却て政府部内の〓一(寧〓〓〓と云ふて〓〓なる可し)を妨ぐる結果もなか〓〓〓と聊か心配するものなり
〓〓〓〓の計畫は當局者間に相談一致の結果なりと云〓と〓も〓〓〓の起りたるに就ては必ず之が發議者な〓〓〓〓〓〓〓〓して〓談一決すれば主として事を〓〓〓〓〓なかる可らず我輩は今の政府中に先づ〓々〓〓〓〓立て之を發議し其〓の行はれたる後にて〓れ〓〓〓〓〓に〓〓を〓〓する所の當局者ある可きを〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓永遠の利害上より見れば〓〓新〓〓〓は中々容易ならざることなれども其局に當る人の〓〓〓〓〓〓〓の愉快も甚だ少なからずして自から〓〓〓〓〓〓〓〓新聞紙は〓譽〓〓の利器にして此利〓〓〓〓〓〓自から爲めにするは〓に愉快なる其上に〓〓〓の發行には必ず資金なきを得ず其金は勿論政府〓〓〓も出づることならんと雖も政府より出てゝ新〓〓〓〓と〓きには必ず其事を〓任する者の手を經過することならん然るに今の〓會には貧學者貧書生の類甚だ少なからずして是等の輩は平生無錢無事に苦しむ者〓なれば政府に於て斯る企ありと聞かば〓〓て〓〓〓〓〓〓に〓〓し自から〓〓〓〓〓を承〓〓〓〓〓ん〓〓〓〓〓〓を〓て自から〓〓に〓なら〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓し」〓〓〓〓〓〓政府の維持〓〓〓〓の〓〓〓〓〓〓り論〓〓〓〓〓〓掌に〓〓〓〓〓〓〓〓〓中るものもあらん當局者も敢て悉く〓〓然るを信ずるには非ざる可しと雖も苟も爲すことあらんとするには此輩を利用する外に策なきが故に〓方共に自から爲めにする所の目的を同ふして茲に事の實行を見ることならん右の如くにして愈々機關新聞の發行と爲り扨その所論所記を見るに固より新聞の本色として辨〓攻撃只管政府の爲めにして餘力を遺さず或は一方にのみ奔逸して却て意外の不利を見ることもある可しと雖も是れは其結果に就て云ふのみにして兎に角に一時は政府辨護の聲世間に喧しきを致し遽に之を見れば世間に多數の味方を生じたるが如く當局者の身に取りては自から心強く思ふ所なきに非ず即ち機關新聞の〓用なれども我輩の聊か心配する所は前にも云へる如く斯る新聞あるが爲めに却て政府部内の統一に不利はなかる可きや否やの一事なり從來の事〓を察するに所謂官權新聞なるものは銘々所属の主人を異にして自家の主人の爲めとあれば筆鋒の向ふ所、同じ政治の當局者の處置と雖も時としては之に觸れて憚らざる奇談もありしことなれども是れは〓方相互の事にして自から慰むる所もなきに非ず然るに今回の企は之を異にして政府全體の機關たるものなりと云へば兎に角に其全體の利害を代表して特殊の主人の爲めにするが如きは決してなき筈なれども實際に於て政府の中に其事を擔任する者ありて資金出納の如きも自から其人の差〓を要するなどの慣行を成すときは金力即ち權力の世の中にて彼の金に餓えたる貧學者貧書生輩は競ふて其門に〓集し主人の鼻息を窺ふは必然の勢にして其主人こそ一方に金權を握り一方に是等の記者輩を〓使するの地位に立ち恰も機關新聞を支配するの全權を有する者なれば機關新聞果して政府に重きを加ふるの〓能ありとすれば擔任者其人は即ち其重き中の又重きを成すものなりと云ふ可し元來今の政府の一致なるものは部内の權衡を維持するが爲めに外ならざれども其中の一人若しくは二三人の見に自然に重量を〓すが如きあらんには自然に權衡を害して相互に不快の念を發し却て豫期の目的に反するものなきを必ず可らず我輩は今回の企に就き唯世説を耳にしたるのみなれども若しも其企の實際にして世に説く所の如くなれば後日の成行は輕々に看る可きものにあらず當局者も隨分共に注意あらんこと我輩の餘處ながら忠告する所なり