「臨時議會と植民の意思」

last updated: 2021-08-22

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時事新報に掲載された「臨時議會と植民の意思」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。

本文

此回の征清事件に付ては日本國中〓に黨派を以て爭ふ者〓〓〓〓〓全國四千萬の人心は老若男女を問はず悉く〓〓〓〓〓たり又この〓〓〓の爲めには如何なる〓〓〓〓〓〓決して挫折〓〓〓〓〓〓るなす〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓りしは〓〓〓〓〓〓と共に夙に〓〓〓〓した〓〓〓〓れぞ〓〓〓〓〓〓〓〓相違なきは事實に〓〓〓〓〓〓〓〓れば來る十一月〓開かるべき帝國議會にては定めて立派なる光景を見ることならん軍費の始末に付ても活溌なる決議あることならんと〓に想像を描き居たりしに今や兵馬倥偬將に大進撃をなさんとするの時に際し議會は十一月を待つに及ばずして臨時に大本營所在地に召集せらるゝ事となれり或は開會四十日前に召集す可き筈なりとて召集の期日を云々する者あれども待兼ねたる十一月に先だち戰爭の最中に召集せられたりとは議員は勿論國民たる者の本望にして實は議會より願ひ出でたき程の事なれば苟も法の精神に背かざる限りは召集期日の如き論じて益なきことなれば臨時議會は須らく此召集を以て政府より召集せられたりとせず議員自から出願の上集會したるの心を以て其言動の方針を定るこそ帝國議會の美なるものと云ふ可し扨その方針の要は國民の意思を表彰して現政府に後援を與ふるの一事にして其これを現はすは差向き軍費の支出に外ならず元來軍費なるものは假令ひ議會の協贊を經ざるも隨時必要の財政處分をなすは政府の權内に在るものにして議會は唯事後の承諾を與ふるに過ぎざるのみ〓して事後の承諾に適さずとせば議會は固より承諾を與ふる心得あるものにても恰も事後のみにして餘儀なく承諾したるの姿となり頗る本意を傷くるのみならず官民共同の効〓を失ふと同樣なれば前途猶ほ大に軍費を要するの今日に當り臨時議會の開設こそ好機會なれ國會の議塲に於て滿塲一致以て政府に軍費の支出を一任し事後また承諾を求むるに及ばずと決議したき程なれども憲法の〓條を〓硯して殊更に承諾權を棄つるも躁急の嫌なきに非ず或は軍費を名〓して浪費濫用も人間に測る可らざる次第なれば一方には事後承諾權を以て充分に當局者の始末方を警戒しつゝ一方に於て必要の費用は民力のあらん限り何程にても支出す可し軍費を惜みて大事を誤ること勿れと堂々たる決議して以て當局者を奬勵するは臨時議會の最大要務ならんと我輩の敢て信ずる所なり彼の佛蘭西は黨爭紛擾を以て世に聞えたる國抦にして内閣更迭の頻繁なる他は〓〓を見〓〓〓も佛國軍の費用〓〓〓は議會は往々當局者の〓案を少〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓なり〓〓〓其佛人〓を以て〓せらむ〓〓亦偶然ならざるを見る可し我國民とて決して佛人に劣るものにはあらず况んや國運を賭したるの今日に當りて現に〓〓〓なる銘も止まざるの大決心あること明白なれば議會にも〓〓しも右〓の決議を以て大に當局者を奬勵するを得ずんば是れぞ忠勇なる國民の意思に背くものにして議會の光榮を減ずることある可し斯くて我國議會はいよいよ國民の一致と其決心〓を形の上に顕はすときは當局者も由て以て其意を〓ふし軍略上は申す迄もなく外交上に少なからざる便宜を得て國民の本意を貫徹す可き〓その上に立憲の〓〓は永く文明世界に顕彰せられ文武兼備の大日本國をして其名に〓るなきを得べし即ち巧に臨時議會を活用するものにして各政黨にても必ず異存なきは我輩の既に信ずる所なり又右の決議に付ては自から增税の必要もある可ければ政府案の有無に拘はらず〓し我輩の持論たる〓國税の〓〓も今度の會塲〓〓〓〓〓明なる可し假令ひ〓日の〓化あらざるも税〓所〓〓明らかに帝國議會の〓〓を明かすは自から〓〓社會の爲めに大切なることなる可し