「支那の分割、止むを得ざる可し」
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時事新報に掲載された「支那の分割、止むを得ざる可し」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。
本文
支那の分割、止むを得ざる可し
我征〓の目的は彼の無禮を懲らずに在るのみ彼れ自から其罪を謝し相當の條件を具へて和を〓うに於ては〓して之を拒まざるのみか喜んで其〓を許す可しと雖も彼は〓冥不〓、自から強〓の〓を知らざるものなれば相當なる條件を具へたる和議の申出は或は覺束なかる可し果して然るときには自から亡國の〓命を招くものにして誠に氣の毒の至りなれども其愚は如何ともす可からず思う存分に打懲らして最後の苦痛を受けしむる外なきのみ或は戰爭の局面容易に〓らずして自然長引くにも至らば諸外國が其間に立入ることゝなり〓て噂の仲裁談も出でんかとて掛念するものもあれども外國とても此塲合と爲りては容易に仲裁を試むることも出來ざる可し日本の擧動は〓の當然にして一點の非難す可きものなし事〓止むを得ずして戰うものなれば若しも外國人が兩國の平和を望むとあれば唯一方の支那人に〓〓〓の利害を説得し彼をして自から降伏せしむる外に手段なけれども支那人に利害の〓法は俗に云う馬の耳の念佛にして無益の勞なる可し然らば力を以て干渉し強いて戰を〓めしむ可きやと云うに事の理非曲直は姑く〓き斯る大〓斷を敢てする者ある可しとも思われず或は諸外國の聯合一致を以てしたらんには〓に目的を〓することあるやも知る可からずと雖も外國の中には東洋の治亂に就て痛〓相關せざるもの少なからず而して其關係の切なるものは互に利害に殊にして平素より反目の意味さえある間柄なれば干渉聯合の相談は先ず以て覺束なしと云わざるを得ず若しも其中の一國が獨力を以ていよいよ干渉を試みんとする塲合に至れば我日本は其干渉國と反對の地位に在る或る一國と同盟を謀り同盟兩國の間に支那の分割を約束して以て他に抵抗するも自から臨機の手段にして又自然の成行なれば斯る危險を冒しても干渉を試みんとするものはある可からず左れば外國の仲裁干渉は容易に來らざるものとして此〓に推行くときは支那の〓命は最早や滅亡と定まりながら兎に角に此大國がいよいよ息の根を絶つに至るまでには尚ほ多少の煩悶〓〓なきを得ず誠に厄介至極なれども〓に定まりたる〓れの運命なれば寧ろ事の序に思い〓て處分は如何と云うに日本は敢て支那の全土を併呑せんとするものに非ず只國防上の地位と商賣の利益とを目的として最も必要なる部分を我有に歸すれば充分にして敢て多きを望まず其他は〓て東洋に志を抱き年來經營に苦心しつゝある諸外國の分割に一任せんのみ或は自から他の異議なきを保つ可きや否やとの掛念もあらんなれども事の機會を〓りたる主動者は日本國なり其主動者にして自から欲する所を〓むるは至當の順序にして其間に喙を容るゝ者はある可からず又實際に於ても他の國人が日本の希望を抑えて之を敵とするが如きは彼等の東洋政略上に至極不利なることなればかたがた以て我國の目的を〓するは容易なる可しと我輩と信ずる所なり支那の分割必ずしも今日の〓に非ず我國人亦他の苦痛を樂しむ者にあらざれども老大國の奴輩自から悟らずして尚ほ抵抗を試みるに於ては勢こゝに至らざるを得ず其〓命は彼等の自業自得と云う可きのみ