「大總督府の前進」

last updated: 2019-09-29

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時事新報に掲載された「大總督府の前進」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。

本文

大總督府の前進

今回〓仁親王殿下を征〓大總督に任ぜられ出征全團の指揮、將官以下任免の〓〓の權を御委任ありて大總督府を戰地に〓〓せしめらるゝことゝなりたるは一昨日の號外を以て讀者に報〓したる所なり思うに此事たるや昨年宣戰の後、第〓を廣嶋に〓められたる日に於て〓に〓〓の中に斷ぜさせられたることならんなれども今日に到るまでの戰爭は數國の境に〓入し又は其關門を破り或は海軍を撃破する等、所謂第一期の作戰に止まりたれども今や陸海の計畫その歩を〓めて戰線はますます擴張し方面も自から多岐に渉り所謂作戰の第二期に入らんとして事體ますます重きを加えたるが故にいよいよ總督府を戰地に〓めらるゝ必要を認めさせられたることなる可し而して大總督府の〓〓は實際に於て大本營を戰地に〓められたると同樣のみならず尚ほ今後必要に由りては親しく大〓を海外に移させらるゝこと勿論にして交戰の目的を〓するに非ずんば以て止まざる可しとの〓意は是に於てかますます明なりと云う可し即ち大總督府の前〓と共に我陸海軍は其全力を擧げ敵國の内地に〓入して一大打撃を加え眞實彼を屈服して城下の盟を爲さしむるに至れば是れぞ交戰の目的を〓したるものにして其機〓に熟せり一日も猶豫す可からざるなり

或は現に彼の〓和使の渡來に際して特に總督府前〓の事あるは如何なる理由なきやなど竊に疑を懐くものもあらんかなれども〓和使の事たる強いて彼より〓求したるが故に我は強いて之を拒まずして渡來を許したるのみ其談判の纏る可きや否やは固より知る可からざるのみならず本來支那人の事とて〓〓未だ測る可からざるものなきに非ざれば〓和使渡來の如き〓して我作戰の計畫に輕重を爲す可きものに非ず只ますます前〓して〓に交戰の目的を〓せんこと上下一般の共に熱心に希望する所なる可し