「英露の地位」
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時事新報に掲載された「英露の地位」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。
本文
今回の極東事件は其〓ざす所頗る深くして容易に終局を見る可しとは思はれず一面に於てはコンスタンチノープルを占領して歐洲を制し他の一面に於ては支那朝鮮に志を逞うして東洋の霸權を握らんとするは露國年來の希望にして土耳其方面の目的を達するは容易に非ざれども極東に對しては露國をして今は恰も其時機なりと思はしむるの事情なきに非ず佛國は近來汲汲として露の歡心を求むるものにして遼東の〓〓には何の痛痒もなきに拘はらず敢て日本に抗議したるのみならず土耳其問題に付ても亦〓に露の政略を助けたりと云ふ次第を聞くに露は是れまで此問題の爲めに二回までも戰ひたれども各國の反對に依て目的を達すること能はざりしかば今は其手段を變へ土耳其をして腐敗の〓、〓に自から瓦解せしめんとする政略のよしにて英國は土帝に向て改革を迫らんことを〓議し以太利、墺地利の如きは之を賛成したれども佛國は露と共に其爲さんと欲する所を爲す可しとの意を土帝に通じたりと云ふ亦以て其事情を察するに足る可し而して佛露の問題は即ち獨逸の忌む所にして其〓を〓くこと能はずんば共に露の歡心を買はざるを得ず遼東事件に付て二國と〓を共にしたるのみならず佛國大統領の將に露帝を〓はんとするや〓帝先づ露〓に赴きたるが如き以て互に其歡心を〓ふの情、切なるを見る可し抑も露は世界の雄國にして佛獨も亦一二を爭ふ雄國なり此〓にして〓二〓を〓ゆ少なくとも極東に於ては何事を欲してか〓ら〓もんとの考を抱くは當然にして多少の障碍に遇ふも容易に辟易せざることならん朝鮮よりプラオンを〓ひ〓〓より外國技師を斥けんとしたるが如き敢て英國の逆鱗に觸るるを願はざるものにして以て其决心の難きを知る可し左れば旅順借用の如きは只その計畫の一〓に過ぎずして或は更らに遼東半嶋を占領し又は〓〓共に朝鮮を併呑することなしと云ふ可らず而して之に對する英國の擧動如何と云ふに其東洋艦隊は要所要所に〓〓して何か爲すあらんとするの色を示し倫敦〓に於て日英同盟の風〓あるのみにして未だ判然たる〓〓を見ずと雖も〓〓の〓〓は英國の〓却にして到底〓立す可らざるものなれば彼一歩を進めば此も亦一歩を進めて形勢次第に切迫することならん近着の北京電〓に據れば英國は露國の〓〓を引受くる代りに大連灣〓〓及び南京府を〓き且つ揚子江沿岸に鐵道敷設の特〓を與ふ可しと要求したりと云ふ抑も大連灣は旅順と〓〓して恰も〓〓と〓〓との關係を保つものなれば〓〓〓〓るも大〓〓〓ざれば〓〓〓を全うする能はず左れば〓〓が〓〓を〓きたるは〓せて大連を取るの意を含むこと明白なるに〓る〓〓〓は敢て之を開かしめんとす其意の存する〓を知る可し又南京は佛領東京に近〓〓〓〓〓て蓋し〓國の垂涎する所ならんか北京〓〓〓〓〓〓〓に〓れ〓〓〓〓〓〓の要求に〓〓せりと〓〓〓〓〓〓〓情を〓〓〓〓〓〓可し然かのみならず〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓大〓〓〓はス〓〓ン〓〓〓〓〓〓〓國は〓〓〓〓〓〓〓〓す〓〓〓〓し〓〓〓〓〓の爲めに其〓戸を開かしめんことを欲するものにして之が爲めには敢て〓を〓せずと〓〓したるよし果して斯の如き决心なるや否や知る可らざれども支那を他國の蹂躙に任ぜざるの意は自から明なり露國は今日を好時期として大〓に南侵し英國いよいよ其〓に立たんとするに於ては遂に如何なる大變を生ずるやも知る可らず破裂せんとして容易に破裂せず破裂せざらんと思ひの外、突如として破裂するは國交際の〓なり〓勢を察して豫め備ふる所あらんこと呉呉も我輩の當局者に望む所なり