「行政の威信」
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時事新報に掲載された「行政の威信」を文字に起こしたものです。画像はつぎのpdfに収録されています。
本文
行政の威信
政府や議會の開設を約しながら其準備を怠慢に〓も官民の〓をしてますます威嚇せしめたるは〓を拾いて馳走の用意を爲さゞるのみか恰も門外に〓〓した〓〓を加へたるものに異ならず〓〓〓〓以來の紛擾は固より其〓、政府自から求めたるものにして自から反省す可き筈なるに尚ほ悟らずして姑息の手段を運らし一方には利を以て議員輩を馴らし一方には所謂解散風を吹かせて之を嚇すなど恰も恩威を示して他を御せんとするの筆法に外ならず今日の時代に斯る淺墓なる手段を以て議會を操縦し得べしなど〓〓たるこそ抑もの間違ひにして多々ますます官民間の疎隔を甚だしうしたるのみ斯くて日本の社會は恰も二分して政府國と人民國と相對立し双方の利害得喪を〓にとて〓〓〓〓れざるの〓を果したり政府の議會に於けるは取りも直さず敵に接するものにして例へば增税の如きは人民國と名くる敵國より金を取らんとするに異ならず事の容易ならざるは當然にして唯々諾々紛擾に紛擾を重ねて〓〓する所を知らざりしは無理もなき成行なりと云ふ可し然るに今回は時局一變政黨内閣の組織を見たる其政府人は孰れも人民國より出〓して政府人民共に始めて利害得喪の一致を得たりと云ふ年來の疎隔を撤し得て增税の難門〓〓〓も容易に決することならん〓〓好都合なれば我輩は此機會に前政府の時代より行はれたる官尊民卑の弊習を一洗して人民政府の本色を現はさんことを希望するものなり即ち前號にも述べたる政府人の職名に書記官〓〓官秘書官など稱する官の字を止む〓〓〓き些細の事に似たれども實際の關係は決して然らず例へば世間の銀行會社などに〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓に〓〓する役員はあれども固より民業の事にして官の字を用ふ可らず〓〓〓〓の〓〓〓〓〓仕事にてありながら只人民に〓別する〓〓〓に〓に官の字を付す〓ものにして〓〓〓〓の〓〓を現はすものに外ならず〓〓は少しく異なれども過般文部省にては〓〓〓を改正し學士の稱號は官立學校の〓〓生のみに許し私立〓〓には一切これを〓ふることを〓せんとの内〓ありしと云ふ〓〓〓〓の〓は凡そ此〓のものにして葢し〓〓〓〓〓〓〓〓〓るの〓〓〓〓〓〓〓〓〓政府の職名に官の字を止め銀行にても會社にても〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓名に改むるは人民〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓と一〓するの手段として〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓ものなり或は〓とし〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓に〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓もの事に非ず〓〓〓の〓〓〓〓て一たび決したる〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓するの一事に外ならず立憲の政治は輿論に從て民意を行ふものなれども其民意が既に立法府の議決を經て法律とし行政の實際に發するときは如何なる反對あるも斷じて動く可らず即ち行政の威信なり例へば酒税增加の如き其方法手段に就ては酒業の營業者と論議を遂ぐるは勿論、或は實際には營業者をして税案を起草せしめ政府に於ては只之を修正するに止む可し即ち民意に從ふものなれども既に發して法文と爲りたる上は納税者の苦情の如き斷じて顧みず嚴重に履行して一歩も假さず専制〓〓の〓をも避けずして決斷す可きものなり思ふに専制と立憲と政治の主義は根底より殊なれども行政上に威信の缺く可らざる一段に至りては恰も其〓を一にせざるを得ず只専制の政府に於ては當局者の一言にも重きを置くその反對に立憲の政治は甚だ自由にして多數の民意に從ひながら其民意の一たび法律上に現はるゝときは即ち國家の意思と見て斷行するに在るのみ左れば人民國を代表する人民政府たらんものは虚名空威〓の陋習を止めにして政治上には一切平等の主義を執りながら行政の實際には固く威信を守りて飽くまでも進む可し我輩の敢て望む所なり