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1.1 DvorakJの紹介

 DvorakJ はキーボード配列を変更する、Windows 用のフリーウェアです。 このソフトウェアを使用すれば、レジストリのキーマップや IME のローマ字かな変換表を編集せずに、キーボード配列を変更できます。 このソフトウェアを USB メモリで持ち運んだり、オンライン・ストレージ上で共有すると、好みのキーボード配列の設定をどこでも使用できます。


1.1.1 キー配列を自由な改変

 DvorakJ では、直接入力用と日本語入力用のキーボード配列を個別に設定します。

 DvorakJ の特徴は、直接入力と日本語入力の両方で、個々人が独自に作成したキーボード配列を使用できることです。 キーボードに似せた表を編集するだけですので、キーボード配列を自作することは、さほど難しくありません。たとえば Dvorak配列 の設定ファイルの一部は以下の通りとなっています。

[
|---+---+---+---+---+---+---+---+---+---+--------+--------+--------|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | {ESC}  | {削除} | {削除} |
|---+---+---+---+---+---+---+---+---+---+--------+--------+--------|
| ' | , | . | p | y | f | g | c | r | l | /      | {改行} |        |
|---+---+---+---+---+---+---+---+---+---+--------+--------+--------|
| a | o | e | u | i | d | h | t | n | s | {改行} | {改行} |        |
|---+---+---+---+---+---+---+---+---+---+--------+--------+--------|
| ; | q | j | k | x | b | m | w | v | z | \      |        |        |
|---+---+---+---+---+---+---+---+---+---+--------+--------+--------|
]

 また、テンキーやファンクションキーの機能も変更できます。 例えば、Num Lock の状態にかかわらず、テンキーを使用するときには常に数字を出力する、といったことを設定できます。


1.1.2 各種入力補助機能の搭載

 DvorakJ は、キーボード配列を変更するソフトウェアにとどまらず、各種入力をより容易にするソフトウェアでもあります。

 ここでは DvorakJ に実装している機能を三つ紹介します。

  1. SandS (Space and Shift) : Space を押しながら 文字 を押すと、Shift と 文字 を押したことにする機能です
  2. マウスをくるくる回すとスクロール: 名の通りの機能で、トラックボールの一部の製品のような、スクロール・ホイールが存在しないマウスを使用している方にとって役立つ機能です
  3. ショートカットキーの挙動の独自設定: 定型文を出力したりカーソルを動かすことができます

1.1.3 オープンソース

 ソースコードを NYSL の条件で公開していますので、ユーザーは DvorakJ 本体を自由に拡張できます。 ソースコードについては各バージョンの source フォルダを参照して下さい。


1.1.4 DvorakJ が対処できないこと

 OSの仕様のために、DvorakJ によって変更できない設定があります。 それは [kbd Caps Lock] や [kbd ひらがな] を [kbd Ctrl] とすることです。 DvorakJ は LL フック (Low-Level Keyboard Hook) という仕組みを利用しているため、特定のキーについてはキーが押し上げられたことを感知できません(詳しくはVista/Windows 7におけるキーボードカスタマイズ問題 - A Successful Failureをご覧下さい)。

 ただし、これらのキーを [kbd Back Space] へと変更したり、直接入力に切り替えるキーに変更することは可能です。 また条件つきではありますが、 [kbd Caps Lock] と [kbd 文字] を同時に素早く打鍵することで [kbd Ctrl] と [kbd 文字] を出力することもできます。


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この文書は2014年11月17日texi2html 1.82を用いて生成されました。