直接入力用配列を使用する場面はたくさんあります。 修飾キーを押し下げているときやメニュー中のアクセスキーを使用するときには、直接入力用配列を使用します。 DvorakJ の設定上、コマンド・プロンプトでの入力でもそうでしょう。 日本語入力配列で Shift を設定していないならば、日本語入力中に、直接入力用配列の Shift の設定を使用することもあります。
以下で説明するのは、直接入力用配列の設定ファイルを作成する方法です。 まず、設定ファイルの保存場所と設定ファイルの形式、コメントアウトに触れ、文字やキーを出力するよう設定する仕方を示し、最後に作成可能なキー配列として入力方法を解説します。
user フォルダ内に設定ファイルを配置します。 DvorakJ の自動更新時には data フォルダ内の設定ファイルを上書きしますので、data フォルダには設定ファイルを置かないで下さい。
設定ファイルの形式については、 shift-jis か utf-8 の文字コードのテキストファイルとします。
/* */ で括った箇所については、何ら読み込みません。
設定ファイルには109 キーのキーボードに準じた表を記述します。 英語配列のキーボード(101キーボード)を使用しているときにも、109 キーのキーボードに準拠したこの表を使用して、キーボード配列を設定します。
[と]のあいだに、 | で項目を仕切った表を作成します。
設定する表の初期状態はつぎのとおりです。
[ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | ]
DvorakJ:レファレンスマニュアル:キー配列:出力する文字やキーを参照しながら、表中の各項目に当該キーを設定します。
以下の三種に大別されるキー配列を使用できます。
三種について例を示しながら、順に説明します。
順に打鍵する配列とは、あるキーを順に打鍵して文字またはキーを出力するキー配列です。 このように定義づけると、以下のように疑問を三点考えつくかもしれません。順に解説しましょう。
第一に、あるキーとは何でしょう。 DvorakJ においては、a や 7 といった英数字のキーと、Back Space から無変換や変換といったキーです。 ただし、テンキーやファンクションキー、Insert や Deleteを含みません。
第二に、順に打鍵するとはどういうことでしょう。 DvorakJ において、これはキーを一つずつ別個に打鍵するということです。 ただし、Shiftと文字の組み合わせについては、Shiftを押し下げたままにしておく必要があります。
第三に、順に打鍵する配列の実例としてどのような配列があるでしょうか。 いくつか例を挙げると、拡張ローマ字入力 AZIKやけいならべ、中指前置シフト新JIS「月配列」があります。
順に打鍵する配列を使用するなら、DvorakJ:レファレンスマニュアル:キー配列:組み合わせるキーの説明通りに、順に打鍵するよう設定します。 組み合わせられるキーには上限がありません。
同時に打鍵する配列とは、あるキーを複数個同時に打鍵して文字またはキーを出力するキー配列です。 このように定義づけると、以下のように疑問を三点考えつくかもしれません。順に解説しましょう。
第一の点については、上記の順に打鍵する配列と同様です。
第二に、同時に打鍵するとはどういうことでしょう。 DvorakJ において、これはほぼ同時にキーを押し下げるということです。 より正確には、一定時間内にキー複数個を打鍵したことを意味します。 同時にキーを実際に押し下げているかどうか、キーを押し上げる最中か、キーを押し上げ終えたかどうか、といったことはソフトウェアの側で問題としません。 ただし、例外がいくらか存在します。
第三に、同時に打鍵する配列の実例としてどのような配列があるでしょうか。 文字キー同士を同時に打鍵する配列としては、下駄配列やPerky配列があります。 文字キーと文字キー以外のキーを同時に打鍵する配列の例は、小梅配列やNICOLA配列です。
同時に打鍵する配列を使用するなら、DvorakJ:レファレンスマニュアル:キー配列:組み合わせるキーの説明通りに、同時に打鍵するよう設定します。 組み合わせられるキーには上限がありません。 ただ、キーボードによっては同時に打鍵したと判定されないことがあります。以下のページを参照してください。
順にも同時にも打鍵する配列とは、あるキーを順に打鍵して、または同時に打鍵して文字またはキーを出力するキー配列です。 これは、上記の順に打鍵する配列と同時に打鍵する配列を融合したものです。
順にも同時にも打鍵する配列として、以下の二つのキー配列を DvorakJ に実装しています。
順にも同時に打鍵する配列を使用するなら、DvorakJ:レファレンスマニュアル:キー配列:組み合わせるキーの説明通りに、順にも同時にも打鍵するよう設定します。
IME を変更しなくても、DvorakJ を使えば、ある程度はさまざまな言語に対応できます。 たとえば、フランス語やドイツ語用に設定ファイルを用意すれば、直接入力用配列として、それらの文字を出力します。 .\data\lang に、以下の言語用の設定ファイルを収録していますので、参考にしてください。